私の住んでいるエリアは古い時代に住宅街として発展してきましたが、大規模な土地の造成は行われず、従来からある低山や谷戸の地形をそのまま残し、その上に直接家を設けるというもの。
ですから通勤や通学だけでなく普段の生活においてもきついアップダウンを幾つもこなさねば自宅に辿り着けず、直線距離的には最寄駅に近くとも、その行程の大変さから人気が衰え、いつしか相続されずに空き家化してしまった住宅が点々と存在する様になりました。
私自身幸いにも足腰は丈夫、普段からそういったルートを登り降りするにも身体が慣れており苦に感じず、また緑豊かなこの土地が気に入っていましたから問題は無いのですが、やはり周辺の高齢者を見るとその生活の大変さを簡単に察する事が出来、空き家が増加するのも無理は無いと思うものでした。
最近では市の方でもその事態の深刻さを受け止め、スムーズな権利の移動や土地・建物の売買を促す制度、あるいは新たにそれらのエリアに住まう際の助成制度を充実させつつありますが、まだ成功と言うには程遠いというのが現状。未だ放置されている近隣の空き家の存在がそれを如実に示しているのです。